VINTAGE ALOHA SHIRT BRANDS – “MUSA-SHIYA”

TEXT: サンサーフ企画総括・アロハシャツ研究家 中野喜啓 (YOSHIHIRO NAKANO)

ヴィンテージアロハシャツのブランド紹介 – 「ムサシヤ」

 

初期の和柄アロハシャツを育てた名店ムサシヤは、1885年に最初の官約移民としてハワイへ渡ったシャツ職人、宮本長太郎によって創業。彼は1904年頃、オーダーメイドの仕立屋をホノルルに開店し、東京出身であることから店名をムサシヤとした。1915年、長太郎が他界すると長男の孝一郎が店を継ぎ、ムサシヤ・ショーテンへ改名。1920年に入ると地元の新聞へ広告を出すようになり、アメリカ人にわかりやすいようムサシヤ・ザ・シャツ・メーカーという通称を使用。孝一郎の似顔絵と日本語なまりの奇妙な英語を組み合わせた広告の効果は抜群で、ムサシヤはホノルルで最も有名なシャツ店となった。その後も順調に発展するかに見えたが、輸入商社の藤井順一商店が1934年に店を買収。ムサシヤ・ショーテン・リミテッドとして営業を継続し、1935年に「アロハシャツ」の名称を使ってホノルル・アドバタイザー紙へ広告を掲載した。これが「アロハシャツ」という言葉が使用された最も古い記録とされている。この事実だけからムサシヤ・ショーテンが「アロハシャツ」という言葉を考え出したとは断定できないが、1920年代には和装の生地を使った日本風の絵柄(和柄)の既製シャツが誕生していたと考えられている。

 

上記の「復刻リクエスト」ボタンをクリックすると、このヴィンテージアロハシャツの商品化のリクエストをSUN SURF(サンサーフ)へ直接送ることができます。お送りいただいたリクエストは随時集計し、今後の企画の参考とさせていただきます。ぜひご参加ください。